「お前は俺のモノ」【完結】

「何で、いつ彬さんと仲良くなったの?てか、それって彬さんのモノなの?
どうして!何のきっかけで!
私、初めて話しちゃったよ!もう、本当に驚いた!」

「陽子、落ち着いて…」

「落ち着いてなんかいられないってば!!」

「………」


まあ、そうか。
私が少し落ち着き過ぎか。

これでもかなりテンパってたんだけどな。


「…とりあえず、無事なわけ?」

「あ、うん」

「そっか。よかった。それならよかった」


はあっと安堵の息をつく陽子。
相当な心配をかけてしまった事が申し訳なく思った。


「ごめんね」

「何が?」

「何か、心配かけちゃったなって」

「本当だよ!もう、でも、詳しくは話せないのかな」

「あ…」


今の方が。
いいかもしれない。


…陽子に、面と向かって買われただなんて事言えない。
目を見て言う勇気…私にはない。
< 77 / 254 >

この作品をシェア

pagetop