「お前は俺のモノ」【完結】
「あ、でも、もう大丈夫。
私はアキラの元から…逃げられないのはわかってるし。
色々不自由は多いけど、大丈夫だよ」
「どこがよ!」
「…陽子」
「さいっていじゃん!何それ、彬さんってそんなヤツなわけ?
それで、あのキスマーク?多恵に自由ないって何?」
「でも、借金はうちの両親が悪いから…」
「多恵は悪くないでしょ!!」
ハッキリと、キッパリと言う陽子にひゅっと喉が鳴る。
そうだ。
私は悪くないんだ。
そんな当たり前の事、どっかいっちゃってた。
「多恵、一生そのままになるかもしれないんだよ!?いいわけ!?」
ズキンと胸が痛む。
いいわけないの、わかってる。
わかってるよ。
でも、どうしようもないんだ。
だって、私の両親を助けてくれた人なんだ。
あんな最低な両親を。