「お前は俺のモノ」【完結】
「…仕方ない…。陽子とは連絡取ってもいいって言われたし。
私は陽子がいてくれたら平気」
「……多恵」
「だから、これは陽子と私の秘密にして。
お願い」
「当たり前じゃん、話せないよ、こんな事」
「…ん。ありがとう」
「多恵、私はずっとあんたの親友だよ!」
「……うん、ありがとう、陽子。ありがと…」
最後の方は涙で掠れて、うまく出せなかった。
誰か一人でも、私を大切に想ってくれる人がいるんだったら。
私は、もう。
彼に冷たくされても大丈夫だって思えた。
どんなに酷い事をされたとしても。
それから、私と陽子は30分程喋っていた。
たくさん笑い合った。