「お前は俺のモノ」【完結】

「…仕方ない…。陽子とは連絡取ってもいいって言われたし。
私は陽子がいてくれたら平気」

「……多恵」

「だから、これは陽子と私の秘密にして。
お願い」

「当たり前じゃん、話せないよ、こんな事」

「…ん。ありがとう」

「多恵、私はずっとあんたの親友だよ!」

「……うん、ありがとう、陽子。ありがと…」


最後の方は涙で掠れて、うまく出せなかった。


誰か一人でも、私を大切に想ってくれる人がいるんだったら。


私は、もう。

彼に冷たくされても大丈夫だって思えた。
どんなに酷い事をされたとしても。


それから、私と陽子は30分程喋っていた。
たくさん笑い合った。
< 80 / 254 >

この作品をシェア

pagetop