「お前は俺のモノ」【完結】
お湯の温かさが酷く私を安心させた。
だからか。
涙が溢れて止まらないのは。
「……ふっ、う、く」
誰も聞いてない。
この部屋には私一人。
こんな高そうなマンションで、最上階。
誰にも聞こえるはずなんかない。
なのに、どうしてだか。
声を押し殺してしまう。
そんな事気にしながら泣いてしまう自分が、悔しい。
わかんないけど、彼に聞かれてしまいそうで。
どうしても大きな声で泣けなかった。