「お前は俺のモノ」【完結】
「いいね。それ。
もっと俺を求めろよ。
そんで、俺に溺れたらいい」
「………」
ニヤっと笑うと、彼は車を発進させた。
私はまだ顔の紅潮がおさまらない。
彼の方を見ない様に、手で顔を隠して外を見る。
必死で他の事を考えるけど、どうしても思うのは彼の言葉。
“そんな物欲しそうな顔するなよ”
つい、最近までは男すら知らなかったのに。
私はこの短期間でそんな顔を見せてしまったのか。
てか、何!?
そんな顔してない!絶対に!
だって、そんな事思ってなかった。
………。
…それは、嘘だ。
“次”を期待したのは確かなんだ。