夏の日の思い出
『でも…、死んじゃったら何も意味ないよ。』

私は、彼の顔をそっと手で包んだ。

『でも、ありがとう。やっぱり貴方は最高の人だよ。』

何も喋れない彼の顔を見ながら私は、そっと彼に顔を近づけた。

『私は、貴方を好きになれてよかった。出会えて本当によかったよ。』

私は、彼の唇に自分の唇を重ねた。
これが、私の最後の彼とのキスだった。
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