離してなんかやるかよ。


「颯…。幸せになってね!って!パンケーキ焦げてる!」



「え?」



俺はようやく意識が戻り母さんが「パンケーキこげてる!こげてる!」って言うのを聞きすぐ火を止めお皿に置いてまた新しいのを焼き始める。



「焦げちゃったわねー。これは母さんが食べるわ」



母さんはそう言いながら焦げたパンケーキを早速食べている。



おい…


まじかよ。



瞬速だな。


焼き上がってすぐ食べるとか熱くねぇの?


そう思ったら案の定母さんはパンケーキが熱かったみたいで「あつ!あつ!」ってひたすら言っていたから水をあげた。



「母さん…」



「ん?」


焦げたパンケーキを食べ終わった母さんに俺は新しくパンケーキを焼きながら



「俺あいつとは付き合ってねぇよ」



真実を言う。



「ええっ!?そうなの?ちょっとショック…!だけどキスしてたんだしいい感じなんでしょ!?」


「あー…わかんね」




ぶっちゃけ今松本にヤキモチやいてあいつに当たってばっかだし


このまま嫌われるんじゃないかって不安で仕方ない。



「ふーん。なるほどね。でも颯は柚來ちゃんが好きなんだよね?」



「え…まあ」



「まあってなによ?そんなに好きっていう想いは浅いの?」


「は?全然!すげぇ好きだよ」



そう言ったら母さんの顔はほんのり赤く染まった。




え?


キュンってしてる?


照れてるの?


まじで?


面白い!


俺は笑うんだ。


母さん照れてんの?



すげぇ好きだよ?って言葉にキュンってきたのかよ?



まじで面白い。


「なんで笑うのよ!ってわ〜!またパンケーキ焦げてる!」


え?

まじで?


母さんとの恋バナは違和感あったけど


おかしいと思うけどイライラが少し吹っ飛んだ気がする。


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