離してなんかやるかよ。


「無理無理無理!」



「なに?」



神崎はついさっきあたしが聞こえないふりしたのと同じ様に聞こえないふりをする。




…むか。




今すごくイラッとした。



「颯のばか…!あたし教室戻る!」




ちゃっかり呼び捨てして



あたしは照れ隠しに教室に戻ろうする。



少しイライラするけどね!



「…お前さ」


「ひゃっ!?」



後ろから抱きしめられた気がした…。



てか抱きしめられてる!?



「…颯?って…いたっ」



今一瞬抱きしめられたと思ったら


首筋に痛みが走った。



「なにしたの?」



すごく痛かったんだけど!


「キスマ」


「え?」


キスマ?



なにそれ?


なにそれ?


本当なにそれーっ!



そう疑問に思ってたらあいつは保健室を出ろうとするし。


待って



キスマってなんだ。


あたしは颯の服の袖を引っ張る。


「なに?キス不意打ちで残念だった?」



「ええっ!?違う違う!いやそうだけどそうじゃなくて!キスマってなに?」



あたしはパニック状態。



キスとかいつの話よ。


ってさっきの話か…。



確かに残念だったかもね。


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