離してなんかやるかよ。

「じゃあっ…お礼に何かさして!」


「は?」


何かさしてってこいつ今人に気ぃ遣ったりしてる場合じゃなくて自分の体調整えるのが最優先でしょ。


なのに…。


「よし決まりっ!颯何かしてほしいことあったらなんでも言って!」



なんでこいつはそんなにお詫びだのお礼だのしたくなるんだよ。


俺にそんな気ぃ遣わなくていいんだよ。



「りょーかい」



だけどこいつの優しさに答える俺。


何かしてほしいことか…。


今はこいつと付き合えたし特別してほしいことはねぇな。


ぶっちゃけ今の俺は贅沢しないでもいい。


とりあえず今は柚來の熱が完治してくれれば良いからね。


「文化祭までには体調優れてるといいな…。あーでも…」


あいつはぽつりと呟いた。



だけど言葉をぼかしてたから何か悩んでることがある気がする…。




それに文化祭ってもう文化祭の時期か…。


じゃあそろそろ準備するんだろうな。



「文化祭実行委員にあたしと松本くんなっちゃって月曜日のホームルームに文化祭で何するか決める予定なんだけど月曜日には熱治るかなって…」


初耳だ…。


それに実行委員なっちゃってっていうから多分自発的になったわけじゃないんだろーな。


だけど松本とだよな…?


大丈夫かな。


松本は胡桃と付き合い出したし問題ないとは思うんだけど


松本と仲良くして胡桃ヤキモチ妬いたりして柚來胡桃と喧嘩とかないよな?


って俺!過保護!?大袈裟!?


まあ松本とこいつは友達以上恋人未満だし友達として仲良くしながら実行委員の仕事するとも思うし大丈夫か…。


つーか。

月曜日までに

「熱治るだろ、大丈夫だって」


そんな焦んなよ。


「ありがと!あたし文化祭の実行委員なっちゃったからには精一杯頑張る!」


「おう」


ところで文化祭の出し物なんになんだろーな。


お化け屋敷はぜってぇ、却下だけどな?


あ、メイド喫茶とかがいいな…。


こいつのメイド服とか見てぇ…


っておいっ!



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