離してなんかやるかよ。


「これ榛陽が自分で作ったの?すげぇ美味そう!」



松本くんは相変わらず人を呼び捨てで呼ぶのが早い…。



まぁそれは親近感湧いて仲良くしやすくなるから松本くんの良さだと思う。



そんな松本くんの良さに直谷くんも気付いてくれるといいな。



「…え、うん。食べてみる?」



直谷くんは気付いたのか、戸惑い気味だけど呼び捨てなのにはツッコミをしなかった。


そして松本くんは直谷くんの作ったお弁当を味見して「あたしも食べたい」と言う翼も味見して…


「「美味い!」」



翼と松本くんと直谷くんは少し仲良くなれたかなぁと思う。



「柚來も食べてみなよ」


「え…」


だけど流石に味見し過ぎだよ。

これ以上食べたら直谷くんの食べる量がかなり少なくなっちゃうよ…。


あたしはそう気遣って…


「いやお腹いっぱいだから大丈夫!」


って言った。


それなのに「柚來!食え、美味いから」って翼はあたしに強引に直谷くん特製の玉子焼きを食べさせる。


…っ!




「わ…!美味しい!」




颯のには敵わないけど美味しい。



直谷くんが食べる量減って申し訳ないと思うけどほんとこれ美味しい。



「…ありがとう」



直谷くんは照れくさそうに笑った。



…キーンコーン




その時丁度予鈴が鳴った。


「直谷くん早くご飯食べなきゃ時間ないよ」



「なんなら俺が食ってやってもいいけ「直谷くん頑張って!」


松本くんが何かを言いたそうだけどあたしは思いっきりそれを遮って直谷くんがご飯を完食するのを応援する。



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