離してなんかやるかよ。

「なんかお前と転入生仲良くて羨ましい」



直谷くんと話してるのが羨ましくて悔しいの?



「じゃあ直谷くんと颯も仲良くしようよ!」




ほら松本くんと直谷くんも少しずつ仲良くなってきてるし!


颯も仲良くなれるよ。



「…直谷直谷ってさ。お前…」




なに?




聞こえない。



小声で颯はなにかを呟いてみたいだけどあたしにはちっとも聞こえない。



そう思っていたら急に抱きしめられた。





「お前、俺のこと好きなんだよね?」



え…!


突然すぎる質問!





だけど答えは当たり前。



選択肢なんてなくてあたしは颯が好き。




恥ずかしいけど「うん」って言うあたし。





「じゃあ俺から離れんな」




離れないよ!



何がなんでもそばにいるよ。




「…あたし颯のこと嫌いじゃないもん」



「ふーん。じゃあなに?」




「だからその…」



さっき好きなんだよね?って聞かれてうんって言ったのに。



わかってるくせに。




「好きって言えよ」




「……す、好きです」




ほんとずるい。




けど颯が大好き。














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