離してなんかやるかよ。

「柚來~おかえり!」


「ただいま!」


「なに授業さぼっていちゃついてたのよ」


教室に戻ると翼があたしに話しかけてきた。



あながちサボっていちゃついてたのに間違ってないけど。





「いやいやいや!」って否定するあたし。



だけど翼は「嘘ぽい」って言ってる。




完全に見破られている…。



だけどそんないちゃいちゃなんてしてないもん!




クレープの話とかパンケーキの話とか他愛もない話をしたもん。



あたしが拗ねてると翼を口を開いた。



「というかさ。直谷くんってどこかで初めて会った気しないんだよね」






え。突然何を言うかと思えば…



初めて会った気しないか。







「あたしも初めて会ったんじゃないよ。昨日傘貸した」



「柚來優しいもんね!ってそうだけど今はそうじゃなくてそんなリアルタイムじゃなくて結構前にあった気がするんだよ」



そう翼が言った時、先生が教室に入ってきた。



「おい座れ~」



あたしは先生の言う通り着席して授業を受ける。




授業中あたしは翼の言ったことを考えていた。



最近じゃなくて随分前に直谷くんにあった気がするか…。



きっと気のせいだよ。


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