離してなんかやるかよ。

「…あたしも妬いてるんだよ。あたし寂しいんだよ、だけど強がってるんだよ」



「え…」




「あたしね、蒼生と柚來が近所って聞いてそれは羨ましいと思ったんだ。
だけどもっと羨ましかったの、柚來が直谷くんと仲良くしてて。
柚來が今遠くにいる気がして寂しいんだよあたし。
神崎くんと柚來が付き合った時から寂しかったんだけど柚來が神崎くんが好きで付き合ったから仕方ないと思ったの…、だけど内心柚來が神崎くんとか直谷くんのところに行ってすごく不安なの…、柚來がいつかどこかへ行くんじゃないかってあたし不安なの…今でさえすごく遠くにいる気がして怖いのに」





遠くにいる気がしてか…。




俺は窓の外を再び眺めて思う。



直谷といる柚來は、俺の知らない柚來。



俺には見せねぇ笑顔で楽しそうに遊んでる…。





すげぇ胸がチクッてきた。



…悔しいわ。



俺に、んな顔しねぇじゃん。


なのに他のやつにはするのかよ。

すげぇむかつく…。










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