離してなんかやるかよ。

そして柚來はリビングへ行った。



「松本くんたちお菓子取ってきたよー」



あいつの声が俺のいる廊下まで聞こえる。




「…神崎」




俺があいつに渡されたお菓子を持ちながらぼう然と廊下に立ち尽くしてると



胡桃が来た。




「直谷くんってあたしらと小学校一緒らしいよ」



「知ってる…。で、初恋の人なんだろ?柚來が直谷の」




「多分そうだと思う…。けど直谷くんも柚來との過去隠してるわけじゃないと思う、柚來が全然覚えてないからもうこのままでいいんじゃないかなっていう流れで…」




確かに柚來は全く直谷との記憶覚えてなかった。



でも友達にオムライス食べたら元気でるよって言ったことは覚えていた。



それが直谷ってこれから気づくはわかんないけど



「柚來は心揺らがないよ」




なんか、今駄洒落になってた気がするけど…。




胡桃の言う通りあいつは過去に気づいたにしろ直谷とは仲良くするし



俺のそばにずっといてくれるよ。



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