離してなんかやるかよ。
あいつに嫌われて直谷とあいつが付き合ってるなら
いっそのこと
あいつを俺から嫌った方がいいんじゃねぇなかな
避けたほうがきっと楽なんじゃねぇのかな―…
俺があいつを嫌ったら
あいつが直谷と付き合ってても
俺は傷つかないんじゃないかな
こんなに不安になったりしねぇんじゃねぇのかな―…
俺はそう、強く思いながら自宅へ戻った。
家に柚來はいて柚來はリビングに置いてあったシューノンのCDを持ちながら廊下を歩いていた。
「おかえり。バイトお疲れ様 」
「…」
俺はあいつを無視する。
俺のこと嫌いなら話しかけんなよ―…
俺はそれからのこと柚來を避けるようになった―…
あいつが直谷と付き合ってるなら
いっそのこと俺が柚來を嫌いになって
傷つかないために
あいつも俺が嫌いなんだし俺から避けよう―…
俺はまじで、男としてすげぇ情けなくて最低だよな―…
だけどあいつを避け続けた―…