離してなんかやるかよ。

「直谷くん告白は嬉しいよ…。だけど―…」



あたし颯が大好きだからごめんなさい。



でも本当に告白してくれて嬉しかった、ありがとう。




勇気を出して告白してくれてありがとう。



颯のことであたしが悲しんでたらいつも慰めてくれて嬉しいよ。


ありがとう。



そう伝えようとしたら直谷くんはあたしに…キスしたんだ。




ええっ!?



キス!?



いくらなんでも不意打ちすぎるよ…。




「…な、直谷くんっ」




あたしが直谷くんに声をかけた時には直谷くんは後ろを向いていた。




耳が真っ赤で…



「なにしてんだろ、俺」




ってつぶやいていた。




直谷くん―…



きっとすごく辛いんだね。




あたしなんとなくわかるんだ。



直谷くんは辛すぎてもうどうにかなっちゃいそうって言うかもうおかしくなってるんだ。



恋は盲目って言うけど今の直谷くんは恋に無我夢中なんだよ。



「…宇佐美さん。俺待ってるから。辛くなったらいつでも俺のとこ来てよ」



直谷くんはあたしの方を再びみて



そう言った。




直谷くんは強いんだね。



片想いに負けないんだね。



どんなに辛くても



どんなに辛い片想いでも負けないんだね。



諦めないんだね。


すごいよ、直谷くん…。


本当に…

「…ありがとう。あたしも明日告白大会で颯に告白する、頑張るね」




直谷くんも勇気を出して告白したんだ。



あたしも頑張ろう―…



「そうだ。キャンディちゃんあげる!」


そしてあたしは直谷くんにキャンディちゃんをあげて



あたしもキャンディちゃんを食べながら学校を再び巡回した―…



キャンディちゃんは期間限定の味でパンプキンプリン味。



本当はすごい甘いはずなのに



少しだけ苦く感じた―…











「お疲れ様〜!みんな今日は本当に頑張った!明日も頑張ろうっ!Let's enjoy Come on babyで頑張ろう!」


文化祭初日が無事終わりました。


そしてあたしは白雪姫のコスプレから制服に着替えて


今はコスプレ喫茶のままの教室で松本くんと話していました。



そして松本くんは何やらすごくテンションが高い。


「よし打ち上げしよう!」




ほらほら松本くん、なんて打ち上げとか言ってるよ。


明日が1番頑張りどころの告白大会って言うのに。



しかも明日のほうが他校生や地域の人達来て忙しいって言うのに…。


明日じゃなくて今日打ち上げするのか…。



ちなみに松本くんは明日翼に改めて告白大会で告白するんです。


松本くんも告白するんだし



直谷くんも告白したんだし



あたしも勇気を出して告白しないとね。

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