離してなんかやるかよ。
「だけどお粥は作るよ!」
え、まじで!?
柚來料理苦手らしいから…
俺まじで嫌な予感しかしないんだけど。
お粥にいれる塩と砂糖間違えたり
お粥のメインの米が生米並みにすげぇ硬かったりして。
やばい事になりそうな予感。
「作っても一人で食えよ」
「ええっ!?無理無理無理!そんな食べれないっ!」
どんだけお粥作る気だよ、こいつ。
そう聞いたら3合半ぐらい生米を鍋に入れてたらしい。
3合半ぐらいってすげぇ曖昧だけどまあそれはそんなに気にせず俺は
「仕方ねぇから食うよ?」
って柚來に言って喉が少し乾いたから冷蔵庫を開けてミネラルウォーターを取ろうとした。
あ、チョコレートあんじゃん。
しかも生クリームもあるし。
多分最近母さんが買ってきたんだと思うけど母さんなに作るんだろう。
まぁ何作るにしろ食いてぇなぁ。
チョコレートと生クリーム俺大好きだから。
あ、そういや生クリームと言えばさっきから柚來の方から生クリームの香りがするんだけど?
柚來、生クリームの香りの香水つけてんの?
そう思って柚來がいる方を振り向いたら
「甘っ!」
柚來はキッチンに立ってお粥の味見をしていた。
柚來の近くには砂糖がある。
甘い!って言ったのはきっと…
「…お前砂糖と塩間違えただろ?」
俺は柚來の後ろにたって耳元で囁く。
「た、多分間違えた…。というか近いです…」
なに?聞こえないんだけど。
まあ砂糖入れても不味くなるわけじゃねぇからいいんだけどさ。
俺は柚來から離れて卵とネギ、人参を取り出す。
「お前そこ退いて」
そして柚來にそう言って、卵を溶いてネギと人参を切って
鍋の中に入ってる沸騰した米と砂糖水に俺は人参とネギ、あいつが切ろうとした乾燥わかめを加える。
そしてみりんと醤油と出汁の素が家にあったからそれも入れて塩もいれてそのあと溶き卵を加えて少し煮て完成。
それでお皿に盛りつけてキッチン台の近くに立ち尽くす柚來にスプーンと一緒に渡す。
「え、食べていいの?」
「あぁ…食えよ」
あいつは俺の作ったお粥っつうかリゾットを食うと「美味しい」って言った。
すげぇ笑顔だしよかった。
*
*
*
そして俺達は2人でリゾットを食った。