離してなんかやるかよ。
ふたりが応援してくれるんだ。
あたしのことを支えてくれる人がいるんだ。
2人ともありがとう…。
あたしはあたしを支えてくれる人にほんとに感謝してるよ。
感謝しきれないぐらいありがとうって思うよ。
右手には紙袋。
紙袋には箱に詰まった深夜に作ったトリュフが入ってる。
箱と紙袋は自分の部屋に丁度可愛いのがあったからそれを使った。
紙袋から甘いチョコレートの香りがする。
…だけどこの香りは若干颯と違うんだ。
颯の香りは―…
あ、これだ。
颯の香りは程よく甘いチョコレートの香りなんだよ。
人の温かさ優しさとかが
含まれててだけどほろ苦いチョコレートの香りがすんだよ。
あたしのはすごく甘甘なチョコレートの香り。
子供が大好きなチョコレートの様な香り。
生クリームとチョコレートが混ざった甘々な感じの香り。
「「あ…」」
目の前から君の香りがする。
「生クリームの様なチョコレートの様な香りがする…、あーチョコレート食いてえ」
目の前には颯がいます。
チョコレート食いてえ…かぁ。
生クリームの様なチョコレートの様な香りかぁ。
あたしチョコレート持ってるし生クリームの香水つけてるんだよね。
「なんかお前つけてる?」
「え、生クリームの香水つけてるけど…」
トリュフ持ってることは秘密です。
「ふーん」
なんだ、そのリアクションは。
質問してきた割には颯、リアクション薄いな。
…にしても颯すごい格好。
王子様のコスプレですよね。
今日クラスの出し物のコスプレ喫茶で接客するもんね、颯が王子様かぁ…。
なんかかっこいい…。