離してなんかやるかよ。

「はい。お待たせしました、オムライスです」


「神崎くんありがとう。神崎くん彼女と仲直りした?」


え、あー…


柚來と仲直りはするって言うか自然に友達って感じになってて


だけどまぁ俺がついこの間まで避けてて


不仲な友達って感じだったけど…。


それに自然消滅した恋人関係も、少しずつ取り戻せるって昨日思った。


だけど無理だと発覚した。


俺の片想いってわかった。




「その様子だと困ってる様子ね」



「あ、まぁ…」



「ちゃんと想い伝えなよ。伝えなかったら一生後悔するよ?」



片想いだけどやっぱ好きって伝えた方がいよな。



「で、彼女さんは?」



え…


確かに柚來はさっきから見てない。


体育館近くのトイレに行ってって聞いてから見てない…。



胡桃と遊んでんじゃねぇかなぁ…



「お化け屋敷に行ってるんじゃね?」



アイツホラー好きだし。



「…そうなんだ。お化け屋敷やってるんだ。わたし行ってみたい」



「午後神崎くん暇でしょ!?案内して!お化け屋敷行きたいっ!」



午後は告白大会松本出るし行かなきゃダメだし。




その時…


「神崎くん…逆ナンは宇佐美さんがやくよ?それより接客しないと怒られるよ」




シロクマのコスプレをした直谷が俺のとこに来た。



逆ナンは柚來がやくって、んなわけねぇよ。




柚來は俺のこと好きなんかじゃねぇよ。




だけど直谷とは昨日、電話で『宇佐美さんを幸せにしてくれないかなぁー?』って言われて俺は『当たり前じゃん』って言った。



柚來は俺のこと好きなんかじゃねぇ…。



だから俺が柚來を幸せにするなんてできない―…



俺は直谷にとんだ無責任なこと言ったな。



「お〜!ベアだ!ベア!いっつキュート!そう言えば神崎くんお化け苦手だったし一緒にお化け屋敷行かないっ!?」



「あ、いいですよ。午後でもいいですか!?」



「OK!OK!もちろん大丈夫よ!」




俺にとったら都合のいい話だけどさすがに直谷と先輩を二人きりって。



異色コンビで何か起きそうで不安だわ。

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