離してなんかやるかよ。
あたしが両親の話したから颯が傷ついちゃって辛い思いが募ちゃった。
「…わぁー。やばい、ワインが零れちゃったわ。大変よ、颯タオル買ってきてくれる?全部タオル洗濯してるのよ」
え、神崎ママ今のわざとぽいお酒の零し方と棒読みの言い分はなんですかっ!?
それにタオルあたしの目の前の机の上にありますよ!?
「あーうん」
え、颯…!?
タオルここあるよ!?
別に買いに行かなくてもいいのにっ!!
神崎ママは颯にお金を渡してそして颯は…
「そ…」
颯!
今ひとりで歩かしたら何が起こるかわかんないよ?
何しでかすかわかんないよ?
今の颯は寂しくて辛くて傷ついてるんだよ?
ひとりで歩かしたら…マンションから飛び降りなんて恐ろしいことがあったりするかもしれないじゃん!
…あたし颯が心配だよ!
「「柚來ちゃん」」
颯を止めたかった。
だけど保健室の先生と神崎ママに引き止められた。
すごく怖い顔をされて引き止められた。
え、お二方なんですか…?
怖いです!怖いです!
「…柚來ちゃん女子会よ!」
「女子会!」
「はいーっ!?」
…ピンポーン
その時チャイムが鳴った。
颯!?
颯は今2秒ぐらい前お買い物に行ったけど忘れ物かなぁ?
忘れ物取りに来たのかなぁ?
というか忘れ物じゃなくてやっぱり机の上にタオルあるのに変だと思って戻ってきたのかなぁ?
あたしはドアを開ける。
「柚來!」
すると翼があたしに抱きついた。
「あたしも女子会混ぜろ〜!」
「ぬあっ!?」
「隣の松本宅から柚來の話聞いてたのよ。あ、神崎のとこ直谷と蒼生がついて行ったから飛び降りとかないから大丈夫よ」
飛び降りなんかしない。
そっか、よかった。
しかし安堵したのも束の間。
ちょっと待ってちょっと待って!
松本宅からあたし達の会話聞こえてたの?
壁に耳をくっつけて翼達が会話を聞いてる姿が脳に浮かぶ。
盗み聞きはよくないよっ!!
それにあたし飛び降りとかするかもって思ったけど口には発してないもん。
「とにかく女子会だ〜!女子会っ!!」
そして翼はリビングに行きあたしもリビングに行った。