離してなんかやるかよ。

「柚來ちゃん!見て見て〜!これ颯よ」


リビングに戻ると机の上にアルバムが置いてあって保健室の先生と神崎ママが見ている。



「神崎っ!?全然チャラくない」


「むしろ愛嬌顔面にあり過ぎだね。可愛さわけてほしいぐらい」



あたしがそう言ったら柚來が「ね」って頷いた。



幼い頃の颯はさっきの写真とおんなじで本当に可愛かった。



ニッて笑った顔も


頬を膨らました顔もショートケーキの生クリームが口周りについた顔も全部全部可愛かった。



だけど小学生の途中から、


顔がすごく暗くなって笑った写真があんまりなかった。


それに颯の9歳の誕生日会以降の写真にはお父さんが映ってなかった。


10歳の時のクリスマスの写真にも


11歳の誕生日会にも映ってなかった。



颯のお父さんは颯が9歳の時に、どこかへ行っちゃったの?



どこに行ったの―…?




「というか柚來ちゃん」


「はいっ!?」



神崎ママ、一体なんですか。



「颯とはどこまでいってるの!?」


どこまでっ!?


颯とはどこまでいってるって…


「今あたしはここにいて颯はお買い物に…「違うわよ!したの?」



したのってなにを?


ポカーンと呆然するあたし。



「sex」



………………………………………は?



顔面が真っ赤になってる。



今あたしジュース飲んでたら吹いてたよ、絶対!



あっさり翼そんなこと言わないでよ。


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