離してなんかやるかよ。

「…しない!してない!」


「そうなんだ。だけど付き合ってそろそろ1ヶ月経つんじゃない?」



文化祭からは確かにそろそろ1ヶ月経ちます。



文化祭の日から付き合ったとなると1ヶ月になります。




「1ヶ月経つならやっても大丈夫よ。この際修学旅行のNYでするってもいいんじゃない!?」



1ヶ月経つなら大丈夫ってなに、その基準!



しかもNYでって〜、オシャレ過ぎる!



というかこんなはしたない話やめましょうよ!



「とりあえずNYで柚來ちゃんからやってみなさいよっ!」




「は、はいっ!?」



何を言ってるんですか。



絶対無理です、あたしから颯に甘えるなんて到底無理な話です。




「あ、あたし修学旅行NY行くってお母さんに電話言わないといけないんだった〜」




あたしはポケットに入ってるスマホを取り出す。



そしてアメリカにいるお母さんに電話をする。




こんな話もうしたくないよ〜



なにが女子会だよ。




なにがNYであたしから颯に甘えるだよ、そんなの無茶苦茶だよ。



今は甘えるより颯の心の傷を少しでも癒さないといけないのに!



『…柚來!?』



「お母さん!!久しぶり!」



お母さん全然声変わってない!



話し方も全然変わってない!




「あたし今神崎さんの家にいるんだよね、すごく楽しく暮らしてる!それでね!修学旅行が近々あって確か12月頭にあるの!それでNYに行くんだよ、だからお母さんに会おうと思いまして」



『わかった、会いましょう。お父さんも会いたいと思うから伝えとくわ。家族で会いましょう。あと神崎くん?その子も連れてきてくれるかしら、その子とも話したいわ』




やった!お父さんとお母さんに会える!



だけどっ…颯も連れてか…。


颯はあたしがお父さんとお母さん家族で楽しんでるところを見るのが辛いんじゃないかなぁ…。



その時…


「柚來のお母さん、胡桃翼です。お世話になってます」



何事!?


翼があたしのスマホを取ってお話し始めました。


< 298 / 373 >

この作品をシェア

pagetop