離してなんかやるかよ。
思い出した。
神崎って…
チョコレートの香りがする男子!
で、そいつは多分…あのチャラ男。
『神崎さんの家でよろしくね』
『神崎さんの家に迷惑かけるんじゃないぞー』
脳内に両親の言葉がよぎる。
つまり?
神崎さんってまさかあのチャラ男!?
っていやいやいや違う。
「うん違う!違う神崎。それにまずチャラ男が神崎か決まったわけじゃない」
そう自分に言いかけるものの
「でももし神崎さんがあの生意気で甘党なチャラ男だとしたらまずい!神崎って翼いわく人気者だし同じ家に住んでるってバレた時点で」
『宇佐美さんってさー。大人しそうなのに案外やるんだね。でも脅したりしてどうせ同居したんでしょ!?』
頭の中にそんな台詞が飛び散る。
ひぃ~!
確実に女の敵になる!
それは嫌だ!
あ~。
女の敵になってそして
『宇佐美さん。あなたは同じクラスの男子と同居してるんですか。そうですか。あなたは退学です!』
なんて先生から言われたら~!
「あたしフリーターになってバイトばっかするのか。バイトか。見つかるかな~」
あ~!
「頭の中ごちゃごちゃになってきた!」
そう独り言をつぶやいてると
「あの人窓に向かってなんか言ってる」
「見ちゃダメよ」
近くにいたお子さん連れのお母さんがお子さんと話す会話が聞こえた。