離してなんかやるかよ。

保健室の先生、いま柚來に何を言おうとしたんだろう…。


まじで保健室の先生何考えてんだろ。



「…NY巡り楽しみだねっ!」



柚來が荷物を持って俺にそう言ってる。


「シューノンに運命的に会えたらなぁ♡」



いや無理だろ…。


「あたし今年のおみくじ大吉だったから大丈夫かぁ!そうだ、まだ残ってるんだよ!」


荷物の中から柚來が袋を取り出してその中からおみくじの紙を取り出した。



それって神社の木に結ばなきゃだめなんじゃ…


まあイイ結果の時は結ばなくて大丈夫っていわれてるしいいと思うけど。



「恋愛はね。願えば叶うって!」


シューノンのは恋愛運なのか?


まあ願えば叶うか…。


じゃあ会えるかもな。


「颯との恋も叶ったから会えるよ、きっと。」




柚來さっきからなんか甘甘なんだけど。



恋も叶った…。


なんか胸の奥がキューって締めつけられて嬉しいなぁって思う。



「…颯、顔赤いよ?」



「別に照れてねぇよ…」


「照れてるんだ。照れてるの?って言ってないのに…なんかありがとう」



は…しまった。



それにしてもありがとうの笑顔はやばい。



頬が紅色に染まってニコって輝いてる顔。



そして不意に手に何かが触れてるなって思ったら




柚來が手を握ってて…こいつのスキンシップに俺は胸が熱くなってばっか。



なんでこんなに甘えてくるんだよ?



俺、こいつのこともっと好きになってく。



好きすぎて…調子狂う。




そして手を繋いで俺達は…部屋を出た。



「わぁ~!柚來ちゃんと颯手を繋いでる!ラブラブだね!じゃあ私も颯と繋ぐ」


ホテルを出て鳳が俺の手を握ろうとした…。




「…なんで突然。無理に決まってんだろ」


「冗談だよ。颯ったら本気になっちゃって馬鹿みたい」



冗談か……。


だけどすげぇ切なそうな形相。



鳳も保健室の先生も松本も何考えてるのか全く理解できないままNY巡りがスタートした。



俺達についてきた先生は保健室の先生。



俺と柚來は手を繋いでNYを巡る。



だけど柚來は…


なんでかわかんないけど


切なそうだった。



柚來さっきまですげぇ楽しそうだったのに


すげぇ甘えてきたのに。



突然どうしたんだよ―…


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