離してなんかやるかよ。

颯…


「…大丈夫だよ。ホラー番組でもよくあるんだよ。お父さんの亡霊に会えるとか…、だからね。颯のお父さんの霊もまだどこかにいて見守ってるよ?颯のことも颯のお母さんのことも。だから大丈夫だよ、また会えるよ」




それにね


あたしは颯のことが好きだ~って想ったら颯に好きだ~って伝わる。



それとおんなじ様に颯のお母さんにも颯がお母さんを幸せにしたいって気持ちは伝わってると思うんだ。




だけどまだお母さんは不安なんだよ。



あたしも颯に不安なんだよ。



だから大丈夫って言ってほしいんだよ―…




そしてあたしは颯に抱きつく。



颯はふわっとチョコレートの甘い香りがした。




チョコレートもご飯も皆で食べたほうが絶対美味しいよ。




それとおんなじだよ。




「一人で悩んでるより辛い気持ち分け合ったほうが絶対幸せだよ?もう無理しないでいいよ」





「あぁ…柚來大好き」



「あたし信じるよ。その言葉。三希ちゃんが颯のことを好きでも…あたしは颯が颯がっ、大好きっ!」






初めて…



自分からキスしようとしたのに…




やらかしたっ…。




倒れてしまったっ…。



これじゃあまるであたしが颯を…。



「お前さ。俺とやりてぇの?」



颯が下。





あたしは颯の上で寝転がって



颯はあたしの耳元で囁く。



これが最近流行りの耳つぶ!!



え、なんでこんなことに!!



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