離してなんかやるかよ。

「別に。この自惚れどへんたっ…」



その時保険室の先生に言われた言葉が頭をよぎる。




……修学旅行でどうせならやっちゃいなさいか。






あたしは体を起こし……



唇を噛み締める。




うんっ!!



宇佐美柚來いけ。




「どうした?」




颯があたしを心配そうに見つめる。




颯の顔をみてるだけで胸が高鳴って心臓がドキドキしてうるさい。





緊張するし


恥ずかしいけど


颯が恋しい。




あたし以外の人に颯を渡したくない。





「…離してなんかやんないから」




緊張で泣きそうだけどあたしは颯にそう言って…颯の服のボタンに手を伸ばした―…




「あ~。気持ちよかったわ」




その時、突然…ドアが開いて



直谷くんっ!?



なんで直谷くんが…!?




「ふ、ふたりともごめんっ!邪魔した!それに部屋間違えた!じゃあ本当にごめんなさい~!」



しかも直谷くん半裸でしたよね………。



なんか最初会った時の性格から全く想像もつかない直谷くんだ…。



とりあえず直谷くんは部屋を去り



あたし達はまた2人きり。




静寂の時間があたし達を迎える。




「あ、あたしそろそろ風呂入ろっかな~」



あははは。



やっぱやるなんて無理だよっ!



というか修学旅行でやるなんて不謹慎なんだよ!



「お前さ。欲求不足でやりたいのはわかったけど床ってありえないから。俺も風呂行こ」



よ、欲求不足!?



はぁ?


なに言ってるの?



颯あたしそんなんじゃないから~!!


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