離してなんかやるかよ。

ない!


うさぎの着ぐるみがない。


翼いつの間にこんな露出度高めな服置いてうさぎの着ぐるみ奪ったな…。


仕方ないっ!


バスタオルで部屋まで行ったら変質者に思われて警備の人に取り押さえられそうなので




とりあえずこれ着て…



翼の部屋まで行くか。


うさぎの着ぐるみ取り返しに行くよ!





そしてあたしは意識がフラフラだけど…翼の部屋に向かった。



ったく、翼ってば。


「あたし颯だけやっぱ幸せにになってほしくない!」


え……。


三希ちゃん?



翼からうさぎの着ぐるみを一刻も早く取り返さないといけないのに…


部屋の前のドアでであたしは立ち尽くした。



部屋での話し声が思いっきり聞こえる。


「三希は直谷と楽しそうじゃん」


翼…。


「……あたしは颯が好きなんだよ。颯が幸せだからこのままでいいって我慢してた。颯のために我慢してた…」



だけど三希ちゃんはやっぱり颯が好きなんだ。



颯が幸せになら…それでいい。



このままでいい。



そう思ってたけど我慢してるのが、辛い。


だから颯と三希ちゃんが結ばれたら三希ちゃんは幸せになれる。



「三希が神崎と付き合ったら三希も神崎も幸せなの?」



「ううん。きっと…颯は幸せになれない。そうわかってるからあたし…もうどうすればいいかわかんないよ」



颯と付き合って三希ちゃんは幸せになりたいんだ。



颯だけ幸せになってほしくない。



それは……きっと『あたしも颯と付き合いたい』って気持ちなんだ。




付き合いたいけどそれができないから三希ちゃんは…もうどうすればいいかわかんないんだ。




あたしが颯に告白して両想いにならなかったら……



三希ちゃんと颯は文化祭の日のあの時のように今もラブラブだったのかな?

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