離してなんかやるかよ。
「ブタさん一人ぼっちなんだね。あたしもだよ、ブタさんには英語しかわからないかなぁ……っ 」
柚來はブタに話しかけていた。
こいつ……
半泣きして顔真っ赤で
「お前やっぱ、ばかだよね」
「……んっ?颯……?」
足がガクガク震えてて
すげー可愛い格好していた。
スリッパで
露出度高めなワンピース。
「NYの夜の街そんな格好で歩くとか襲ってください、やってくださいって言ってるもんだよ?」
「……あ、これは翼がぁ~。あたしにっ……ひくっ」
こいつなんか飲んだ?
また酒飲んで酔っぱらってんの?
なんか普段の柚來と違和感がある、ってか確実におかしい。
「……三希ちゃんは直谷くんと幸せになってくれるかなぁ。あたしって悪いやつだねぇ、さっきまで颯にあたしが告白しなかったらよかった、そしたらぁ颯と三希ちゃんが付き合ってたのにぃ…なんて思ってたのに今三希ちゃんが直谷くんと結ばれること願ってる…」
……こいつ酔っぱらって本音言ってんな。
俺に告白しなくてもたぶん俺は
何時か柚來に告白してたよ。
「俺はお前以外と付き合う気ねぇから」
やさしく柚來のお腹に手を回して抱きしめた。
柚來は酔ってるはずなのに酒くさくなくてむしろ甘い匂いがした。
直谷と鳳の幸せ願うのも悪くねぇと思うよ。
「あたしが颯に告白しなかったら直谷くんとあたし付き合ってたのかなぁ……っ。で、三希ちゃんは……」
なにそれ。
そんなの俺許せないんだけど。
「……つーか」
「なぁに?」
「俺以外のこと考えないでくれる?」
「ひゃっ……!」
「マジで生意気。前も言ったけどお前こんなに俺を妬かせるとかせこい」
「なにするのぉ~?」
俺はあいつの首筋に……甘くキスした。
「んな格好すんのがわりぃんだよ、ばか」
NYの夜の街で理性崩壊するわ。
ほんとこいつのせいで
俺……
調子狂う。