離してなんかやるかよ。
「風邪平気?そこに水あったから飲んでて座って休んどこうか」
「え…「柚來~!!」
こいつ俺のことなんて気にしてないんじゃねぇの?
もうほっといてくれたのかと思った。
「お~、君が神崎くん?柚來の彼氏か。よろしくね」
その時ダンディなおじさんが俺の前に現れた。
柚來の母さんと腕を組んで…。
この人柚來の父さん?
「お父さん~!髭たくさん生えてサンタクロースみたいになってると思った!」
「………柚來ってこんなに辛口だったか?お前は柚來か?」
柚來は元から若干毒舌。
「お父さん頭うった?レントゲン取りに病院いく?」
「…正常だっ!柚來か、それならいいんだが」
柚來と柚來のお父さんは如何にも親子って感じ。
柚來は父さんに似たのかな?
最初は真面目だと思ったけど意外と明るくて面白い人だった。
俺は柚來の家族と話して
柚來の中学校の頃の話を聞いたり俺達の生活の話をした。
立ち話をこんなに長くすると疲労感が異様で、足や頭がなかなか動かない。
「…神崎くんも柚來と踊ったらいいよ。楽しいから」
「…あーはい」
今、柚來の母さんと父さんがダンスをしている。
それで柚來の父さんが何かを言った。
だけど熱のせいかわかんねぇけど聴覚が鈍っててなんて言ったか聞き取れなかった。
「え~っ!?ダンスあたしできないのに…」
隣にいる柚來が何処ぞのお化けのキャラクターが叫んだ様な顔をしている。
あ、いま『君も柚來と踊りなさい』。『はい』って感じの会話だった?
やべぇ…
「柚來。わりぃ」
「オドルカナ…」