離してなんかやるかよ。
ショッピングモールについてスーパーで夕食を材料を買って…
「わりぃ、ちょっと持って待ってて」
女子に荷物を持たせるのは男としてあまり良くねぇことだとは把握してるけど。
「いいよ…?」
こいつ切なそうだから…。
俺は走って雑貨屋さんに行った。
そして…あるものを買って柚來のとこへ戻った。
「わりぃ」
「あ、うん…」
柚來は涙目でかなり儚げな表情。
「あ、それ女の子からのクリスマスプレゼント?貰ってきたの?颯いいなぁ、モテモテじゃん!」
俺が持ってる袋を見て柚來が一言。
なんでそんなこと思うんだよ…
なんでそんなに切なそうな顔するんだよ…
今日はクリスマス。
サンタが幸せをプレゼントしてくれる日。
なのにどうして泣くんだよ?
俺はお前に喜んでほしくて
お前に笑ってほしくて…。
買ったんだよ…。
「俺はお前にしかモテたくねぇよ」
「…嘘だよ。あたし颯が疲れてるのはわかってたよ?目の下黒いし!疲れてるから早く帰りたくてデートはこれでおしまい。それならまだ我慢できたよ!だけどさ、急にショッピングモールにしようって言ってホントは知り合いの女の子に会ってそれで…」
なんだよ、それ。
なんだよその誤解は。
妄想は。
「あたし颯のこと大好きなの!大好きだから…泣きたくないのに無性に涙が溢れるし好きな人の笑顔が見たくなる。それで喜ばしたくなる」
ふわっと柚來の髪が揺れて
チョコレートの甘い香りが漂う。
柚來の近くには俺が持ってるチョコレートの香りの香水が置いてある。
『人気香水No.1』
か…。
「好きだからおんなじ香水つけたくなって…」
「この香水つけてるやつ星の数ほどいんのに」
「…だけどっ!」