離してなんかやるかよ。
母さんが楽しそうにキッチンに向かってる。
母さんってあんなにテンション高い人だったっけ?
と思いつつ俺はあいつに
「お前俺の家に住むの?」
もう一度聞いてみる。
「…いや、それはその」
あー。
この様子じゃ住む気あんまねぇな。
「あたしのお父さんが…」
あいつは俺をみて「あなたのお母さんと会社の同期であたしの両親海外に転勤しちゃって…」と言った。
なるほどね。
それで俺の母さんがこいつを引き取ることになって
今に至るわけ。
だけどこいつは同い年でクラスメイトの男子とはやっぱり住むのは嫌なのか。
まあそうだよな、普通。
住むのが嫌だからスピーカーを含んだ荷物を取りにきたけど母さんはこいつと同居するのに意気込んでるからこいつは戸惑ってんのな。