離してなんかやるかよ。

あたしはリュックから鏡を出す。


「鏡でかっ。まあ顔もでけぇもんな」



「うるさい!」




あたしは教科書並みのサイズの鏡を持って髪をみてみる。


うわっ!


結構、いやかなりはねてる!


鏡をリュックに片付け今度はポーチから焦げ茶色のヘアゴムを取り出し口に加え


髪を頭の上でまとめてゴムで結んだ。


「かわいい」


「あ、やばい!遅刻する!」




神崎が何かを言ってたけど聞き取る余裕なくてあたしは自分の自転車を出し乗った。




だけど神崎はまだ自転車に乗らず来ない。




「顔赤いよ?熱あるの?」


ふと振り返って神崎に言う。


熱あったら休んだほうがいいけど。



みんなにうつったら困るからね。



「え。あ、赤くねぇよ…!全然大丈夫!」


そっか…。






「じゃああたし先に行くから!」


ぼーっとしてる神崎を、待ってる暇もなく


そもそも一緒に行ったら一緒に住んでるってバレるし


あたしは先に学校に行った。

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