離してなんかやるかよ。

それにつれて神崎の足は前へと動く。


ええっ!?


近寄らないで!


「お前顔赤いし震えてるけど大丈夫?」


神崎はそうあたしに質問しながら近寄ってくる。



うう…


近寄らないでくださいよ…。



それに全然大丈夫じゃないですよ…。



あたしはとにかく神崎から離れようと

後ろ歩きをひたすらした。




そしたら


災難なことに壁で行き止まり。


とうとうあたしは神崎と壁に挟まれてしまった。



「なんだよ?どうしたんだよ?」



神崎は壁に片手を置いてあたしの真ん前に立ってあたしを心配している。


どうしたもこうしたもないよ。


突然のキ、キスだよ?


そりゃ驚愕するよ。



なんで神崎はそんなにあっけらかんとしてるのよ。



とにかく今のあたしは壁に追い詰められ心臓ばくばく。





そして驚きのあまりあたしはとうとう泣いてしまったんだー…


< 70 / 373 >

この作品をシェア

pagetop