離してなんかやるかよ。


「そうなんだ〜」


母さんが俺のホラー嫌いを言ってくれたおかげであいつは俺を見放してくれた。






「きゃー」



これで何回目かよ?



風呂場にて俺はリビングから聞こえる母さんの悲鳴を何度も聞いていた。



というか聞こえていた。



その声を何度も聞いてると


あっという間に


時が経っていたのかな。


「きゃああっ…でたでたでた!」


あいつの発狂が聞こえた。




シューノンがエンディングで出たのかな?



それで発狂してるんだと思う。



にしてもすげぇ長く風呂入ったわ。


俺は今映画がエンディングだと思って風呂を出てまもなく着替え終わろうとしていた。


「神崎でたよ!」



そんなとき。


あいつが俺が着替えてる洗面所のドアを開けた。




「あ、ほんとに出てた…!」



あいつはそう言ってドアをすぐに閉めた。


顔面真っ赤だったな。



やばい、かわいすぎる…。




「あ、あのね!ゴキブリが出たんだよ!」



あいつは洗面所のドアの近くでそう言ってる。


はぁ?


ゴキブリ??

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