離してなんかやるかよ。
「おーい。宇佐美さん?」
「えっ!?」
誰!?
突然、肩を掴まれて呼ばれたあたし。
振り向くと
目の前には
「松本くん。どうしたの?」
松本くんがいたんです。
松本くんのこと忘れてた。
別に一緒に帰るつもりじゃなかったんだけど。
学校の正門までは一緒にいようかなとなんとなく思ってたから。
「一緒に帰ろうよ?」
え。
あたしは一緒に帰るつもりないのに
松本くんはあたしにそう言うの?
「うん。いいよ?」
別にいいんだけれどもあたしは自転車で学校から結構居候してる家が近いんです。
だからそんなに一緒に帰るって道のりもないんだけどね。
それに途中であたしの通学路と違う道を松本くんは帰るかもしれない。