《詩集》白の間に

追想

『追想』


忘れ去られた廃屋の窓

埃とガラクタの間に
何か落ちていないかと
覗き込む毎日

薄く白く霞んでるその世界には

何が有るか分からない
なんて言いながら
無い物だけは知っていた

赤茶けた鉄格子

錆が指にまとわり付いて
切り取られた四角の向こうが
やけに遠い

希望と書かれたアルバムの
希望の一枚は一体何処へ

時に紛れた足跡は
誰の眼にも留まらないで
其処に在るだけ

数あるページ捲っても
載ってない人ばかり思い出して

無い物の中にだけ君が居た

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