《詩集》白の間に

小鳥

『小鳥』


頭の奥の降り止まない雨
僕ら二人
不自然な角度で傾いたまま

細胞が煮えるような倦怠に
甘い思考さえも放棄して
鮮烈なしるしだけを望んだ

どうして君は鳴かないの
こんな格好悪い姿に生まれて
どうして少しも叫ばないの

消えてかない欲望
片羽にがんじがらめで

これじゃ
何処へも飛べそうにない

霞む雑踏
軋む理想
駅のホームに文明の利器

君は僕の手を取って
僕は君の手を離した

嗄れた喉に血が滲む度
君の何か大事なものまで
奪ってしまう

そんな気がして
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