コドモ以上、オトナ未満。


そこまで、言ってしまってから気づく。

これ、言われた方は、だからどーしたって感じじゃない?

このあと、どうやって会話つなぐの?

カナコ、助けて……!

思わず教室をのぞいたけど、カナコは真剣に色塗りを再開していてこっちのことなんて見ていなかった。


「じゃ、じゃあそういうことだから! あたしも教室戻る――――」


気まずすぎてその場を立ち去ろうとしたら、がしっとつかまれた手首。

おずおずと目線を上に移動させると、優しくあたしを見下ろす真咲の笑顔があって。



「その日……学校終わったら、祝おっか。ふたりで」

「…………うん」



17歳になる今年の誕生日は、なんだか素敵なものになりそうな予感。

その日が来たら、今までちゃんと言ってなかったこと、真咲に伝えてみようかな。


今ならわかる、自分の素直な気持ち。


――あたし、真咲のことが、好き。



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