コドモ以上、オトナ未満。


「でもさ……今年は、ちょっとだけ、わくわくしてる」


そんな正直な気持ちを呟いてみたら、あたしの話を聞いて表情を暗くしていたカナコが、ぱっと笑顔になって言う。


「真咲くん、お祝いしてくれるって?」

「うん……学校終わったら、二人でなんかやろうって」

「よかったね、ココちゃん。……あ、もちろん私も、プレゼント用意しておくからね!」


カナコの言葉に「ありがとう」と返しながら、あたしはもしかしてすごく幸せなヤツなのかもしれないと思った。


プレゼントを用意してくれるっていう、優しい友達がいて。

二人でお祝いしようって言ってくれる、大事な人がいて。

家に帰れば、お父さんからもお祝いしてもらえるんだもん。


――きっと、素敵な一日になるよね。


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