コドモ以上、オトナ未満。


そんな会話をするあたしたちをじっと見ていたカナコが、しみじみとこう言う。


「なーんか、最近ほんとラブラブだね、ココちゃんと真咲くん」


あたしと真咲は顔を見合わせ、照れまくるあたしに対し、真咲は余裕の表情でこう答えた。


「そーでしょ? ココがどんどん素直になってきたからかわいくてかわいくて」

「うんうん、女子の目から見ても最近のココちゃんかわいいもん」


……二人とも、そんなにあたしを持ち上げるのはやめてください。


「ふふ、ココちゃん真っ赤」

「お、ほんとだー」


ついに居たたまれなくなったあたしは、真咲の腕をほどいてガタンと席を立った。


「あたし、トイレ行ってくる!」

「……あ。ココ、ちょっと待って。今日の放課後のことなんだけどさ」


真咲がそう言ってあたしを引き留め、いつもの笑顔で言う。


「俺、ちょっと準備あるから先行く。ココは三十分後くらいに学校出て。待ち合わせは、京香さんの店にしよ」

「……わかった」

「じゃあ、またあとでな」


ぽん、と頭に手を置かれて、それにすらドキドキしている自分に気づいたあたし。


……こんなんで、真咲に“好き”とか言えるのかな。


考えただけで、心臓、壊れそうなんですけど……



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