コドモ以上、オトナ未満。
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ずるい大人たち -side 心矢-
ココの誕生日の三日前、日曜日のこと。
俺は賢人を呼び出して、女の子が好きそうな雑貨屋が立ち並ぶ通りをぶらついていた。
二人とも身長がデカくて並ぶとちょっと目立ちすぎるので、賢人は帽子、俺はだてメガネで変装中だ。
そうまでして街にでてきた理由は、もちろん――
「……なんでココちゃんのプレゼント買うのに俺がつきあうわけ?」
「いや、だってお前もココのことは知ってるし。二人で考えた方がいいものが選べるかと思って」
「お前って……そういうとこ、ホント馬鹿だな」
呆れたように言う賢人。
馬鹿って……なんでだ?
俺はココの喜ぶ顔が見たいだけなのに。
「俺の選んだモンなんて、ココちゃんは欲しくねーっつの」
「二人で一緒に選べば大丈夫だろ」
「……だから、そこがお前は馬鹿なんだって。見かけは“恋愛マスターです”みたいな顔してるくせに、乙女心ぜんぜんわかってねーんだな」
……どういう顔だよソレ。
ひどい言われように若干顔を引きつらせつつ、でもなんとなく説得力のある賢人の話にそのまま耳を傾ける。
「いいか? 大事なのは“何をあげるか”じゃない。どれだけココちゃんのために悩んであげるか、そこが重要なんだよ」
「へえ……勉強にナリマス」
「心にもないことを言うな。つかまぁ今のは、妹の受け売りだけどな」
……妹、か。
賢人の面倒見のよさとか、人間関係うまくこなせる性格は、やっぱ兄弟いるからなのかな。