コドモ以上、オトナ未満。


「京香さん……今はショックかもしれないけど、だからってそんなの、ダメだよ」


そんな幼い言葉でしか慰められないから、足りない分を補うように、京香さんを抱きしめる腕に力を込めた。

京香さんをまた好きになったとか、そういうんじゃない。

ただ、今の京香さんを一人にしてはいけないと思ったから。

それしか方法が分からなかったから。

でも……



「……なに、してんの」



離れた場所から放たれた、ココの冷たい声。

それを耳にした瞬間、自分のしたことをすごく後悔した。


「ココ……今のは、違うんだ」

「ココちゃん……あのね、心矢くんは悪くないの。これは、私が……」


……ちゃんと説明すれば、ココだって納得する?

いや、もし俺が逆の立場なら、そんな、説明聞く余裕なんてない。

寂しがり屋で意地っ張りのココなら、きっと俺以上に――――


「――ココ!」


俺が考えている間に、店を飛び出して行ってしまった彼女。

すぐに追いかけようとしたのに、京香さんに腕を引かれて、その場から動けなかった。

なんでだよ、京香さん……


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