コドモ以上、オトナ未満。
それは全部、父親があたしに買い与えたもの。
欲しいなんてひと言も言ってないのに、「お前はこういうのが好きだろう」と、ニコニコしながらあたしに差し出すお父さんに、「いらない」なんて言えなくて……
着替えを済ませたあたしは、ベッドにばふんと倒れ込む。
もっと、欲しいものは別にあるような気がする。
でも、それがなんなのかわからない。
本当は何もないのかもしれない。
「つまんない……」
あたし、何が楽しくて生きてるのかな。
お母さんがいてくれれば、少しは違ったのかな。
でも……それは無理なことだった。
離婚の原因は、お母さんが新しい恋人をつくってしまったことだったから。
あたしはまだそのときまだ小4だったけど、お父さんがひどく可哀想に思えて……
だからお父さんとこの家に残ることを選んだ。
お父さんは、きっとあたしがいなければ生きていけない。
あたしのこと、お金で繋ぎ止めておくことが、あの人の喜びであり、生きがいなんだ。
「せつな……」
自分の父親に対して、生意気すぎるかもだけど、そう思わずにはいられない。
だけど、あたしもそれに付き合って生きてくしかないんだ。
ひとつも楽しいことのない毎日を。
ただ、ひたすら、消化して……