コドモ以上、オトナ未満。

……なんで？

なんでそんな、“どうでもいい”みたいな言い方するの？

真咲……ちゃんとあたしを見てよ。

その瞳にあたしを映してるのに、心では別のことを考えてるように見えてしまうのは、どうしてなの……？


「ココ。俺らさ……」


あたしは、仲直りがしたくて真咲と向き合っているのに。

彼の方は、そうじゃないみたいだ。

まだ何も言われてないのに、そんな心の“ズレ”を、あたしは肌で感じ取っていた。

そして……その予感は、見事に的中した。



「ふつーのクラスメイトに、戻ろっか」



……人は、あまりにもショックを受けると、なんにも話せなくなるんだとあたしはその時知った。

なんで、とか。いやだ、とか。心の中に浮かんでは消える言葉は、何ひとつ口から出て来なくて。

そうやって時間ばかりが過ぎていくのに焦っていると、真咲はさらにわけのわからないことを言う。



「……俺。学祭終わったら、転校するんだ」



――――転、校？

なにそれ。

今まで、そんな話、一度も……