コドモ以上、オトナ未満。
“あとは自分でやるから”――なんて大口叩いたはいいけど。
どうやらこの場所にはいないみたいだし、それ以外でココの居場所を考えても心当たりがない。
「くっそ……」
母親に言われた“五分”はとっくに過ぎている。
唯一の協力者、賢人もいなくなってしまった。
焦りばかりが押し寄せて、何もいい考えが浮かばない。
大きくため息をついた俺は、ふとバッグのファスナーを開けて、そこに手を入れるとあるものを取り出した。
一度は自分の部屋のゴミ箱に入れようとしたのにどうしても捨てられなかったそれは、リボンのかけられた小さな箱。
ココの誕生日に贈るつもりだったプレゼントだ。
こんなモンを今日バッグに入れてきたその理由は、考えなくてもわかることなのに……
素直になれなくて、タイミング逃がして。
賢人に散々言われたように、ホント馬鹿な奴だ、俺は……
そこまで考えると箱をバッグに押し込んで、俺は再びココを探した。
体育館を出て、校舎の中を手当たり次第に。
それでもどうしても彼女を見つけ出すことができなくて、途方に暮れていた俺に追い打ちをかけたのは、再びポケットの中で振動する携帯だった。
「……タイムリミット、か……」