コドモ以上、オトナ未満。
「ネックレス……?」
目の前でそれを揺らしながら問いかけると、下にいる真咲が申し訳なさそうに言う。
「誕生日プレゼント……こんなに遅くなっちゃってゴメン」
「……! ううん、ありがとう。うれしい」
あたしのために、こんなに可愛いネックレス、選んでくれていたんだ……
再び湧きあがる涙で、ネックレスがさらに輝きを増したように見える。
最後にこんなプレゼントされて、あたし、どうやって真咲のこと忘れればいいんだろ……
うれしいけど、切ないよ。
これ見る度に、真咲を思い出して、泣きたい気持ちになるよ……
「ココ」
ネックレスを抱きしめるように握っていたあたしに、真咲は真剣な眼差しを向けた。
そして大きく息を吸い込むと、ハッキリとした口調でこう言った。
「――俺のこと、待ってて」
瞬きをしたあたしの目から、今まで瞳にとどまっていた涙が一気に溢れ出した。
今さら、“行かない”――なんて選択肢はないけれど。
そういう方法も、あったんだね……
一度はサヨナラしても、待っていればまた会える。
いつになるかわからないけど、きっと会える。
あたしたち、オトナじゃないから、そんな口約束しかできないけれど。
オトナじゃないからこそ、そんな不確かな約束だけで、心が強くなれるんだ――。