コドモ以上、オトナ未満。
彼の部屋にたどりついたあたしたちは、玄関のドアが閉まると同時に抱き合って、引き合うように唇を合わせた。
会えなかった八年間の寂しさを埋めるように、何度も何度も。
「今まで、どーして平気だったんだろうな……ココのいない毎日なんて」
熱い吐息をこぼしながら、あたしを廊下の壁に押し付けた心矢が言う。
「……つらかった?」
「当たり前だろ。ココがもう少し手の届く場所にいたらって、何度想像したことか」
「……あたしも」
今こうして触れ合えること……それがどんなに幸せなことかって、思い知った。
そうして再会できた今の時間がすごく貴重なものに思えて、どんなにキスをしても足りないような気がする。
「ココ……ベッドいこ」
心矢の言葉に、一気に跳ね上がった心臓。
でも、覚悟を決めてコクンと頷いたあたしは、彼のお姫様抱っこで連れて行かれたベッドの上に、ゆっくり下ろされた。
そしてためらいなく服を脱ぎ出す心矢に対し、あたしはどうしたら……と悩んでいるうちに、上半身裸の彼があたしの側まできていて。
「……ネックレス、見せて?」
ささやくように言われて、あたしはカットソーに隠れていたピンクゴールドの鍵を指でつかんで、彼の方へ向ける。
「ペアなのに、ずっと寂しい思いさせてゴメンな……今日は、ちゃんと相手がいるから……」