コドモ以上、オトナ未満。
「……ばれてた?」
「うん、もうばればれ」
相変わらず京香さんと親しげに笑い合う真咲を見て、思う。
……やっぱり、真咲は京香さんのことが好きで、だからカナコのことは断ったのかな。
だったら、やっぱりカナコに教えておくべきだったかも。
アイツ、年上好きっぽいよとか……今考えればそうやってぼかして伝える方法も色々あったじゃん。
「――ん」
「……なに」
「だから、ん」
京香さんのお店を出るなり、自分の左手をあたしの方に差し出してきた真咲。
……今日はそういう気分じゃないって。
そう思って手をつなごうとしないそれをあたしの顔を、真咲が覗き込む。
「カナコちゃんに遠慮してんの?」
「……わかってるならやらないでよ」
あたしはそう言って真咲の顔を見上げてにらむ。
「へーきだよ。俺、断ったから」
……断ったんだ。なんか、ちょっとだけ、ほっとしてる、かも。
二人との距離の取り方、今までと変えなくていいってことだもんね……?
でも、だからってカナコの気持ちを知りながら、手を繋ぐのは無理だ。