コドモ以上、オトナ未満。
へえ……二人とも、ぴったりじゃん。
真咲が貴公子……ってのは、言いすぎだと思うけど。
そんなことを思いながら、つやつやのピンクグレープフルーツにフォークを刺す。
「でも。さっきココちゃんが俺のこと肯定してくれて、俺は今のままでいいんだって、すげー自信になった。ありがと」
「……べ、別にあたしは何も」
気恥ずかしくなって目をそらすと、「ココちゃん、そのはにかみいいね!」とカメラマンさんの声が飛んでくる。
いや、これ、演技じゃないんですけど……
「……でさ。ココちゃんが嫌じゃなければ、なんだけど」
スタッフさんたちに聞かれたくないのか、急に声を潜めた大森。
嫌じゃなければ、って前置きされると、なんかすごく緊張する。
だって嫌かもしれないことを言われるわけでしょ?
なんで、今このタイミングで急にそんな話……
どんどん増してくる緊張をごまかすように、あたしはグレープフルーツを口に入れた。
その甘酸っぱさに口の中がきゅうっとなるのを感じていると、大森が言葉を継いだ。
「――俺たち、ホントのカップルになっちゃわない?」