コドモ以上、オトナ未満。
不意打ち
少しの気まずさを感じながら大森の元へ戻ると、彼は明るい調子であたしに尋ねた。
「ココちゃん、このあとどっか行きたいとこある?」
「……別にないけど」
「お腹は?」
「すいてない」
……って。自分で言うのもなんだけど、あたし感じ悪いなー。
付き合うことオッケーしときながら、こんな態度って。
でも、これがあたしなんだもん。大森にも慣れてもらわないと。
「そっか。じゃー……カラオケは?」
「……あたしは歌わないよ?」
「いーよ。ちょっと二人っきりになりたいだけだから」
……二人きり?
あたしは眉根を寄せて大森の表情をうかがい、下心の有無を探ろうとする。
そういえば前に真咲が大森のこと、“一緒に仕事した女の子すぐ食っちゃう”って言ってたっけ。
うーん……今のとこ、そんな悪い男には見えないけど……